ピクサー映画が大好き!というピクサーファンの方々へ!
どうやって数々のヒットを生み出しているのか直接社員にインタビューしてきました!
今回は私がアメリカ西海岸に赴任していた時、社員とその家族しかなかなか入ることができないピクサーの本社を訪問した際のエピソードと、ピクサーの数々のヒット作の秘密を社員に直接ヒアリングできたのでお伝えしたいと思います。※ここで紹介している内容、写真はすべてピクサー本社社員の方に承諾を得ています。
ポジティブで明るい雰囲気の社内
アメリカ生活中のある日のこと、私が所属する会社の本社から「出張者が研修出張に行くのでアテンドして欲しい」と依頼がありました。映像関係を担当している社員だったので、映像系の会社に訪問できないか?と。
そう言われたものの当時まだ映像系の会社とはコネクションが無かったため、悩みました「ヤバい、つてがない、どうしよう??」悩みに悩んだ末「よし!飛び込みで頼もう!」と決め、早速Linked inで探し始めます。見つけたのはPixar本社のキャラクターデザイナー。
「よし、この人に頼んでみよう」と一か八か、ダメ元であるデザイナーさんにコンタクトを試みました。理由を丁寧に書き、こちらからもこういう情報を提供するので情報交換できないか?と「無視されるだろうな〜」と待つこと3日後。
来ました、返事が!!2hくらいだったらOKと。かなり喜びました。出張者も大喜びで私もアテンド先が見つかりホッとしました。出張者にはこちらから提供できるネタをきちんと用意するように念押し。訪問時のマナーはとにかくGive and takeが常識、日本人がたまにやってしまう名刺交換だけの表敬訪問は嫌われます。
Pixar本社はカリフォルニア州のオークランドの近く、エメリービルというところにあります。もともとカン詰め工場だった所をあのスティーブ・ジョブスがアップルを退社後、ルーカスフィルムからCG部門を買収して1986年に設立した会社です。
本社ビルはThe Steve Jobs Buildingと名付けられていて建物の中は真ん中にホールがあり、左右に分かれている構造で右側にデザインなどの創造部門、左側に総務、経理、広報部門などがあり、人間の右脳と左脳の機能をそのまま部署の配置にしたそうです。こういう建物の構造にまで遊び心あるこだわり方がスティーブ・ジョブスらしさというか、アップルにも通じるところだなと思います。
社内の空気がとにかく明るい雰囲気で、社員が皆揃って笑顔だったというのが印象的です。映画やアニメやCGが大好きで入ってきて心底仕事が気に入っている人が多いと聞きました。アメリカにしては転職が少なめで定着率が高い会社とのことです。やはりこういうエンタメ系の会社は楽しそうでいいなあと、羨ましくなりました。
チームワークとエンパワーメント
アテンドしてくれたキャラクターデザイナーさんはバグズライフとインサイドヘッドのキャラクターのデザインを創出した方でした。当時のスケッチなども彼の個別の部屋で見せてもらえました。下記の写真は彼のスケッチを元にモデラーさんが作成したクレイモデルです。CGを製作する前に必ずクレイモデルを作って立体を確認するそうです。
ピクサーの仕事場もGoogleなどと同じく、自分の個室が与えられ、まるで自宅のように好きなように飾ってOKで皆思い思いのオリジナリティーのある部屋にしています。部屋中フィギュアだらけの部屋は定番です。
アイデア出しからリリースまでのエピソードを聞いていると、チームワークの結束力が半端じゃないなと感じました。改善していく過程でギクシャクしないよう「ただ批判する」のではなく「建設的な批判」をするのだと言います。彼らはそれを「Good Note」(建設的な批判)と呼んでいました。そんなチームワーク感ともう一つ感じたのがエンパワーメントです。エンパワーメントとは個人の考え方を尊重し、より高い目的に向かわせる為に周りからサポート・バックアップをしていくことです。
プロジェクトの開始時最初は3人くらいから始まり「それいいアイデアだね」と、どんどんサポートがつき自然に人数が増えていくのだと言います。一人や少数の創案者を推していくような姿勢や体制が普通にあると言います。そんな協力的なチームワークは見習いたい部分です。
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作品を客観視する専門チームの存在
そのキャラクターデザイナーとの2h程の対談の後半に「Pixarがあれだけのヒットを飛ばせるのはなぜ?」というベタな質問をしてみたところ、素直に回答してくれました。まず強い結束力を持ったチームメンバーの存在と個人それぞれの柔軟なアイデア創出力も会社の原動力だが、最初はしょぼい状態のモノを見事に磨き上げるチームがあると。
アイデア創出者やCG製作者だと自分の思い入れがどうしても強くなってしまって評価が甘くなるので「ブレイントラスト」と呼ばれる客観視する専門チームがいる、監督とまた違った視点で彼らが不要な描写をカットし、描写の追加を要求したり、完全に観客の目になって完成度を高めるのに一役かっているのだといいます。なるほど、そういう組織的な仕組みがあったのですね。
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