コンピューターヒストリーミュージアム訪問記!


今回の記事はシリコンバレーの中心部、マウンテンビューにあるコンピューターヒストリーミュージアム(Computer History Museum)についてレポート致します!

コンピューターの歴史を網羅して展示していて、本物のApple1や往年のスパコン、懐かしいパソコンが盛りだくさんで見ごたえあります。

シリコンバレーの地で見つけたコンピューターの歴史の世界を紐解いてみたいと思います。

計算尺とそろばんからスタート

まずの中に入ると、最初に展示してあるのが、コンピューターの元となった計算尺やそろばんが目に入ってきます。そろばんは日本のものです!


©2019 USANCO
©2019 USANCO

ピアノくらいの大きさの電卓

初期のコンピューターは単純な足し算引き算を自動化しようとしているものが多く、様々なものが発明され、やがて国勢調査などの大量のデータを扱う機械などが発明されていきました。


©2019 USANCO

世界初の汎用電子式コンピューターENIAC

世界初の汎用電子式コンピューターENIAC、1946年完成。アメリカ陸軍で開発されました。開発目的はミサイルの砲撃射表の計算用です。


©2019 USANCO
©2019 USANCO

ENIACは約17000本の真空管、約7000個のダイオード、約1500個のリレー、約70000個の抵抗器、約10000個のコンデンサ等で構成されていました。

大きさは高さ2.4m、幅が30メートルほどもあり、倉庫一個分のスペースが必要でした。重量は27トンと、とてつもない重さ。

ENIACの計算速度は300FLOPS。現代のスマホ iPhone XSは約900ギガFLOPSなので、計算速度はENIACの3000万倍です。コンピューターが73年間でものすごい進歩を遂げているのが分かります。

FLOPSとは?

Floating Point Number Operations Per Second=1秒間に浮動小数点演算が何回できるか、のコンピューター性能指標の一つです。

歴史に残る名作のスパコンCLAY-1

クレイ社が1975年に開発した、クレイ-1 スーパーコンピューター。計算速度は160メガFLOPSで当時世界最速を誇りました。この時代のスパコンでもまだ今のiPhone XSの計算速度の56分の1です。


©2019 USANCO

納入先はニューメキシコ州のロスアラモス研究所です。これも軍事技術開発が目的ですね。


©2019 USANCO 配線がスパゲッティー状態。
©2019 USANCOん?かつら?と思ったらCLAY1のCPUでした。配線が凄い。
©2019 USANCO CLAY社の制服

この辺のコンピューターは昔のサンダーバードや戦隊モノのテレビによく出てきたテープの記憶装置が何か懐かしい感じですね。


©2019 USANCO

記念すべきAppleの第1号機、Apple1

1976年にスティーブ・ジョブス、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウエインの3人が創業したApple Computer Co.の製品第1号のApple1。木製の箱に入れられており、基板はむき出し。最初の取扱説明書はロナルド・ウエインが制作を担当。当時666ドルで販売されました。

展示してある木箱にはスティーブ・ウォズニアックのサイン”Woz”と書かれています。


©2019 USANCO

©2019 USANCO Apple創業当時のJobsとWoz

スティーブ・ジョブスはこのApple1の最初の50台の製造販売の資金調達のために自分のフォルクス・ワーゲンバスを1500ドルで売り、スティーブ・ウォズニアックはHPの電卓を500ドルで売って、運転資金が足りず自転車操業だったようです。


©2019 USANCO ロナルド・ウエインが製作したマニュアル

大ヒットしたAppleⅡ

1977年に発売されたAppleⅡです。当時コンピューターと言えば、一部の専門家しか扱わないという位置付けだったものを、一般の人向けに製造販売された世界初の「パーソナルコンピューター = パソコン」です。

このAppleⅡの発売をきっかけに「パソコン」という言葉が生み出されたと言っても過言ではないと思います。


©2019 USANCO

約500万台が製造販売され、日本には約2万台輸入されました。

このパソコンがヒットした理由は、アメリカではサラリーマンも含め、働く人は個人で確定申告しなければならず、専用の表計算ソフト「ヴィジカルク」とともにその利便性が受けたようです。

ブロック崩しゲームが標準装備されていたのも、当時のゲーマーにヒットし、それが販売台数を伸ばしたとも言われています。

凄いのは、スティーブ・ジョブスと共にAppleを創業した天才エンジニア、スティーブ・ウォズニアックがたった1人でハードもソフトも設計していることです。


Apple Macintosh 初号機

1984年に発売された、Apple Macintosh 128K、マッキントッシュシリーズの初号機。ここからAppleのパソコンは「マック」と呼ばれ始めました。

当時としてはグラフィック性能に優れ、グラフィックデザイナーやアーティスト、教育現場に普及していったと説明しています。


©2019 USANCO

世界で初めて、ウインドウタイプの画面をマウスで操作するという、パソコンのインタフェースとしては超画期的なものでした。

当時はUI(ユーザーインタフェース)での特許は取れなかったと思われ、他社にバンバン模倣されました。

よくよく考えたら、Appleは先駆者であることが多いのですが、模倣されまくりの歴史ですよね。


©2019 USANCO

世界最初のマウスもApple1と同じように木製でした。発明者はSRI Internationalです。


©2019 USANCO
©2019 USANCO  マウス特許の説明図

初代SIM CITY

SIM CITYってご存知ですか? 現在も続く街づくりのシュミレーションゲームです。これは1989年発売のSIM CITYの初代のパッケージで、アメリカで大ヒットしました。


©2019 USANCO

ゲームソフト会社のエレクトロニック・アーツに買収される以前のMAXISという会社が開発、サンフランシスコの対岸エメリービルにあった会社なので、街の景色がサンフランシスコの実在するビルの形をしています。(尖ってるやつ)

最後まで、お読み頂きありがとうございます!日本ではなかなか見ることのできない珍しい写真をご紹介できたと思います。

普段使っているスマホやパソコンですが、このような歴史を経て今があるんですね。非常に感慨深いものです。

今回の記事で載せたものはほんの一部です。ロボットやソフトウエアなども含め展示物はこれら以外にもたくさんありますので、シリコンバレーに行く機会があれば、ぜひ見学されてみてください!


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