今回はサンフランシスコの中心部にあるX(旧Twitter)本社を訪問した時のレポートをしたいと思います。
世界的に有名なX(旧Twitter)の本社は一体どうなっているのでしょうか?社員の方々にエピソードなどいろいろなお話を伺いました。
X(旧Twitter)の本社はなぜシリコンバレーでなくサンフランシスコ市内にあるのか?
X(旧Twitter)の本社はサンフランシスコ市の中心部、市庁舎にも近いマーケットストリート沿いの古いアールデコ調の装飾が立派なビルにあります。
隣にはUBERの本社や少し西の方へ行くとHayes Valleyという洒落たセレクトショップや雑貨屋さんが並ぶ人気スポットがあります。
北東の方角にはテンダーロイン地区という所がありますがここは治安の悪いことで有名で、ホームレスがゴロゴロいて、マリファナの匂いが常に漂っており昼間から路上に横たわり酒を呑んでいる輩が多い場所です。
テンダーロインという地名は、この地区に配属された警察官がテンダーロインステーキを食べられるくらいの“危険手当”が付いているのでそう呼ばれ始めたのだとか。
なぜそんな場所に近いところにX(旧Twitter)の本社はあるのか?が疑問です。GoogleやLinked In、Facebookなどはもっと治安がいい南のシリコンバレーと呼ばれる地域にあるのに。理由はいくつかあります。
独身若手社員は、もっと南に位置するシリコンバレーのような住宅地の多い子連れ家族で住みやすい郊外よりもバーやセレクトショップやクラブなど遊ぶ場所が多いサンフランシスコ市内を好みます。
サンフランシスコ市があのテンダーロイン地区などの環境改善を目論んで、X(旧Twitter)社側に法人税制優遇を申し出て誘致したとも伝えられています。6年間でうん億ドルもの税制優遇をしたのだとか。
確かに年収の高いX(旧Twitter)の社員が周りのお店などにお金を落としていけば、周辺地域の経済は潤うはず。テンダーロイン地区の環境改善にもX(旧Twitter)社は地域貢献活動として参加しているようです。
素晴らしいですね、X(旧Twitter)。
【衝撃】X(旧Twitter)はSNSではないという真実!?
興味深いのがX(旧Twitter)は世の中で一般的にSNSの典型という常識になっていますが、X(旧Twitter)社の広報部の見解としては違っていて…
「驚かないでください。うちはSocial Networking Serviceの会社ではありません」と言い切っています。は?どういうこと?
では何の会社なのか?と聞くと「社会的な要素を機能として備えたコミュニケーションのための通信インフラを提供する会社」だと言っています。
ん?ほとんど同じ意味のようにきこえるが…そしてさらに付け加えて説明してくれました。
「たった今起きていることを多くの人に共有する、スピードが命のニュースメディアにも近い会社である」とのこと。
なるほどX(旧Twitter)は災害時の通信網としても重要な役割を果たしているのは周知の通りで、Facebookのようなネットワーキングサービスと一線を画す、差別化をしたいという意思が伝わってきます。
X(旧Twitter)社は最初からこのスタンスは変わっていないらしく、どうやら周りのメディアが勝手に“SNSと言ったらX(旧Twitter)“というのを広めてしまったようです。
X(旧Twitter)の広報担当者はもう間違って浸透しきってしまったので「もういいや」という半分諦めモードになっていますとのこと。
じゃ、これからも「SNSといえばX(旧Twitter)」とつぶやきましょうか!(草)
X(旧Twitter)はミニブログ、マイクロブログであるという見解も
先日多くのブロガーの方はご存じのインフルエンサーでありブロガーのマナブさんがX(旧Twitter)上で”TX(旧Twitter)はマイクロブログである”とTweetされていましたよね。
確かにそういう要素もあり、今は減少してしまいましたが、以前はX(旧Twitter)アフィリエイトというのも多く見かけたものです。
また、X(旧Twitter)が世界的に有名になるきっかけとなった2006年のSXSW(サウスバイサウスウエスト→音楽とメディアのイベント:テキサス州オースティンで毎年開催)ではブログカテゴリーにて賞を受賞しています。
X(旧Twitter)は有名になり始めて2年後の2008年に日本に導入、日本語版のインターフェースが開発され、その時に尽力されたのがデジタルガレージ社(MITメディアラボ前所長のJoy Itoさんが共同創立者)でその年にX(旧Twitter)社と資本・業務提携もされています。
こうしたWebサービスの市場展開の初期は非常に過酷で、営業活動を死ぬほどやったと社員の方々が仰っていました。来る日も来る日も広告のスポンサー探しの毎日であったと。
広告主がつかないとマネタイズできませんからね。今でこそX(旧Twitter)に広告出せば儲かる、となっていますが、導入初期は「Twitter? なんすかそれ?何この青い鳥?興味ないっす。」という反応だったそうです。
X(旧Twitter)の職場の様子
さて、X(旧Twitter)の社員が働く様子を見てみましょう。もちろんここは正社員のアテンドがないと入れない場所です。今回の写真撮影も許可をもらって、撮影させてもらいました。
シリコンバレーのIT企業の多くが採用している働く環境とほぼ同じです。フリーミール、フリードリンク、フリーアドレスの机。
健康のため立って仕事する人もいれば、カフェテリアでラップトップに向かっている人もいれば、籠れる個室でコーディングしている人もいます。
食育も進んでいて、社員たちのごはんを見るとサラダのみを食べている人が多い!アメリカ全体でいうと食育はダメダメですが、IT会社の内部はその辺のレベルが非常に高い印象です。
フリーミール、フリースナックのエリアではカロリーの高いものは手の届きにくい場所に置いてあったり、蓋がついていてひと手間かかるようになっています。これはGoogleの社内でもそうでした。
ハード面は全体的にキレイで明るい印象の社内。服装や規律も厳しくなく自由。意識面は規律正しく常識があってお行儀のよい社員がそろっている印象でした。フリースナックだからと、がばーっと独り占めしてしまうような人は皆無です。
X(旧Twitter)社員の様々な社内の出来事を聞いていると、あらゆる事は自己責任の上に成り立っているという事を改めて認識させられました。
例えば“過労死”という言葉も無く、概念もないアメリカにとっては、一体それって何?と聞かれます。そして会社のせいにするのはおかしいと。そんな事は全て自分の責任でコントロールすべきだと言います。
会社に責任を押し付けると規制がどんどん厳しくなって、余計に自分たちの首を絞め、働きにくくなる。日本の会社はそういう状態に陥っているところがあまりにも多いと。X(旧Twitter)社の社内の様子を聞いてつくづくそう思い知らされました。
上から規制されるのでなく、自分で自分の始末をする、けじめをつける。皆がそう認識して初めて実現する自由な働き方。どうしたら日本でもこういう環境を作りだすことができるか…? 大きな課題です。
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