2023年10月28日(土)より一般公開が始まったジャパンモビリティショーですが、最初の土日ということで、とても盛況でした。先週土曜日の入場者数は約17万人、日曜日、月曜日は約13万人だったようです。前回の東館ホール1〜3に続いて今回はホール4〜6の展示をレビューを致します!ソニーホンダモビリティーのAFEELAや日本に進出したばかりのBYDのBEVに注目です!モビリティショー感想も合わせてお伝えします。
モビリティショー感想
全体を見終わってみての感想をまず先に述べると、今回のショーは以前のモータショーと違い、モビリティがテーマなので展示物やコンセプトの幅が広がり、出展会社も485社程に登っているとの事で、見応えがすごくありました。例えば、航空機や船舶、ロボット、なんと食料品まで!モビリティにちょっとでも絡められるものならばOKという感じで、大袈裟に言えば神羅万象、様々なモノがコトが展示されていて飽きない印象でした。3000円の入場料であれば全然元を取れたと思っています。高校生以下が無料なのも良心的です。
東館ホール3〜6には、ホンダ、ソニーホンダモビリティー、レクサス、日産、三菱、ヤマハ、カワサキ、スズキ、BMW、BYDのブースがあります。真ん中のホール5から入場!各ブースの配置は下記の通りです。
ホンダ
まずはホンダから見ていきましょう。小型モビリティや航空機なども手掛けるホンダは今まで培ってきたクルマ以外の領域の展示物がとても多く見応えがありました。モーターショーからモビリティショーとなって、ますますの本領発揮をしているという印象です。
最初に目に入ってきたのがSUSTAINA-C ConceptとPocket Concept、これは過去にホンダシティーとモトコンポというセットの提案があり、それの現代BEV版になっているところがミソだと思います。このSUSTAINA-C Conceptは過去のホンダシティーのシルエットを受け継いでモダナイズしたデザインと言えます。
こちらは電動スクーターとEVバッテリーの提案です。バッテリーは重さ10kgで1.3kWhの容量が蓄えられるとの事。
こちらはMaaS車両、無人自動運転タクシーでGM(General Motors)とCruiseという自動運転の会社と提携して開発したものです。ライダーセンサーやカメラを備えた付加物が車両の4隅にあるのが特徴的な車両。運転席は無く完全自動運転で東京都内での実証実験を控えています。
こちらは北米向けのBEV SUVであるPROLOGUE Prototype、もうまもなくアメリカで発売になる車両の試作車です。
こちらの提案は時期プレリュードのコンセプトカー、おそらくこれに近い形で登場すると思われます。
AIを搭載し、人とコミュニケーションを図り、周囲の環境と協調しながら走ることができる小型モビリティの提案。あらかじめ用意された地図ではなく、現実世界の状況に応じて自ら判断するとの事です。
3輪のパーソナルモビリティStriemo
こちらはラストワンマイル用の電動スクーターの提案、Motocompacto。
誰が乗っても平等で活躍する社会を実現するための座り乗りモビリティです。以前からこの提案はあり、その改良版です。
ホンダの小型ビジネスジェット機HondaJet EliteⅡです。このカテゴリーでは初めてノンストップでアメリカ大陸横断を可能としたそうです。燃費が良いので航続距離が競合の中で一番長いという事ですね。
遠隔で操作できる分身ロボットの提案がこれです。特徴は人間のために作られた道具などを使いやすくするために開発されている人間の手と近い繊細さと力強さを持つハンド部分との事。
建設作業現場などで、約900kg近い荷物を時速16km/hで運ぶことができる電動モビリティです。
ソニーホンダ モビリティ
両社が提携して開発している、知能化BEVのAFEELA。とにかく展示の演出が綺麗でした。車の形はオーソドックスな丸みを帯びたセダン型ですが、面質はキレイでその面のクオリティーを効果的に表現している背景色と照明で神秘的な印象を受けます。ここのブースは人混みがすごく、ここに入るには少し勇気が要ります。
自動運転を究極のものにするために、周囲にあるセンサーとカメラは合計45個もあるそうです。それらのセンサー類を司るECUは演算能力が800TOPSと言われており、従来の車のECUからすればダントツに高性能です。
レクサス
レクサスはホンダの向かい側に位置しています。いつものブランドアイデンティティーをキープし、繊細でプレミアムな雰囲気のブースです。
こちらがレクサスの目玉になる、セダンタイプ次世代BEVコンセプト車のLF-ZC。出光と開発中の全個体電池を搭載し、航続距離1000km、急速充電10分を目指しているクルマです。
こちらは、SUVタイプのLF-ZL、このクルマもセダンと同じく、次世代高性能全個体電池搭載のBEVとなります。レクサスは今後Elecrifiedというキーワードを使いBEV推しで訴求、2030年までに全てのラインナップをBEVのみにしていくと発表しています。
こちらは、既に発売中のBEV、RZのカスタマイズバージョンです。フォグランプを付けたり、タイヤもBF Goodrichを履いたり、リアに自転車用キャリアを付けたりとアウトドア色を強めた提案となっていました。
レクサスROV ConceptのROVはRecreational Off-highway Vehicleの略で、カーボンニュートラル、環境負荷低減をコンセプトにした次世代モビリティ です。Co2を排出しない水素エンジンを搭載、使用している部品類も水平リサイクル品を使用し、環境負荷を抑える取り組みがされています。
製造工程が30工程以上あったものを、たった1工程にすることに成功したギガキャストの展示。
こちらは開発中の全個体電池。世界最高性能を目指し、現BEV市場の勢力図を塗り替えるほどのポテンシャルがあるとされています。80%急速充電が10分、航続距離1000kmとなればBEVの使い勝手は大きく変わることでしょう。実用化が楽しみですね。
レクサスのブースにはそのブランドフォロソフィー/世界観を表現するアーティスティックな演出があります。今回は「Kehaiの森」というテーマでオブジェが飾られています。ミラノサローネでも有名建築家やデザイナーとのコラボでによるインスタレーションの展示などでブランドフォロソフィーを世界に発信し続けています。
BYD
BYDはご存知、今年の1月から日本市場に進出した中国のEV会社ですが、その成長スピードがすごく伸び率が84%という驚異的な数字も出しており、テスラと並び世界の2大EVメーカーになりました。日本国内でも注目度は高く、ブースはかなり盛況でした。普段そんなに見かけないので「珍しいから」というのもあると思います。またEVの中では破格の価格設定も注目されている理由と思います。
海外でもデザインが良いと話題になっているセダン、BYD SEALは2024年の春頃に発売予定との事。航続距離は555km。電池容量82.56kWh、出力は230kWです。価格帯はおそらく500万円台前半になるのではという噂です。
日本での販売価格は440万円。85万円の補助金を使えるそうなので、実質355万円の買い物となります。
BYD ATTO3の内装は楽器をモチーフとしたテーマでまとめられており、スピーカー部分を協調したり、スピーカーとドアポケットの部分は弦楽器のようなデザインを施してあります。
日本での販売価格は363万円、EVにしてはかなり安い価格設定です。65万円のEV補助金が使えるとの事で実質298万円になります!
このBYD U8の特徴は4輪の独立したモーターを制御してピボットターン(その場で360°回転)できる事で、タンクターンと呼ばれています。ジャパンモビリティーショーのブース内では1日に2回のデモを行うとの事。かなり大型のSUVですが、性能的にも攻めていて出力は1100PS、0m〜100mの加速は3.6秒との事です。
日産
ニッサンの今回のコンセプトカーはかなり攻めていて、思わず目の前にして「これはキテル〜!元気いいな〜!」という印象です。
高性能EVスーパーカーの提案、NISSAN HYPER FORCE。次世代のEV化されたGT-Rという印象です。最高出力1000kWの想定との事。
コンテンツクリエイター、アーティスト、インフルエンサーなどスタイルとイノベーションを重視するユーザーに向けたEVコンセプトカーのNISSAN HYPER PUNK。多面体のようなエクステリアデザインはクルマとデジタルの融合を表現しているとの事です。
プレミアムEVミニバンの提案、NISSAN HYPER TOURERです。EV化した次世代のエルグランドなのだろうという印象でした。
BMW
BMWのコンセプトカーNEUE KLASSEは2025年を皮切りに2030年代を代表する次のプラットフォームのクルマを作ったらどういう形になるかを具現化したモノとの事です。動力源はBEVとは限らず、燃料電池や次世代合成燃料も視野に入っていると見られます。
BMWは何年も前からFC(燃料電池)や水素エンジンは開発してきていましたが、BMWとしては初めて燃料電池車のiX5 Hydrogenを発売しています。
ヤマハ
今回のヤマハのブースではヤマハ発動機とヤマハ楽器両方の展示があり、ロゴマークも発動機と楽器の両方が掲げられていました。
自立型モーターサイクルの提案、オーナーを認識して起き上がり、伴走し、その背に乗せて走行する生き物のような生命感と、「人生の伴侶」のような存在感をもつパーソナルモビリティとの事です。過去のMOTOROiDは人型のロボットが跨ったような形をしていましたが、ついにロボットの存在は消え、モーターサイクルと一体化した新しいモビリティーとして位置付けられた印象です。
このコンセプトカーは3輪のEVオープンタイプ。3輪操舵による今までにない新しい操舵感を生み出しています。爽快感抜群のモビリティと言えます。
歩行速度のような極低速運転における転倒不安や疲労からライダーを解放し、安心・快適に二輪車を楽しむための技術「AMSAS」を搭載したスクーターの提案です。
こちらは2017年の東京モーターショーに出品された初期型MOTOROiDです。
こちらの提案は水素エンジンを搭載した ROV(4輪バギー)Co2を排出しない脱炭素と内燃機関を両立させるための提案です。
これは水素エンジンの研究をするための研究用スクーターです。まだ研究段階にあるため水素タンクがかなり大きめです。
三菱
将来のデリカを表現したEVのクロスオーバーMPVカテゴリーのコンセプトカーです。
こちらのコンセプトカーはクルマでたどり着いた場所から更に先へ奥へ行くためのラストワンマイルをい移動するためのモビリティ提案です。電動車の使用済バッテリーを搭載しているとの事。
日本市場に12年ぶりに投入する1トンのピックアップトラックで今回のモデルチェンジでフレーム、シャシー、ボディー、エンジンを一新したとの事。
スズキ
こちらは中央の壇上左側にあるEVXというコンセプトカー、BEVのSUVになります。
こちらは実用性とワクワクを兼ね備えた軽のBEVコンセプトEWXです。
セニアカーと呼ばれているのとは一味違うパーソナルモビリティー。
遊びと実用を兼ね備える電動パーソナルモビリティの提案です。
このMOQBAと名付けられたパーソナルモビリティは平地は4輪のタイヤで走行、階段は4脚の脚を使って上り下りできるとの事。
カワサキ
四人乗りのデザートトレールモデルと言われる4輪バギーです。
今回カワサキは自身の前身であるメグロブランドでワールドプレミアのバイクを発表していました。
復刻版のMEGURO S1
1924年オリジナルのMEGURO
ジャパンモビリティーショー見どころ、混み具合、どこに何があるか解説
東館ホール1〜3 大手自動車会社 展示レビュー