シリコンバレーの縮図、Plug and Play Tech Center訪問記!


今回の記事はアメリカ、カリフォルニア州、シリコンバレーの南端にある街、サニーベールのPlug and Play Tech Centerを見学させてもらった時の模様をお伝えします。

皆さん、インキュベーターとかアクセラレーターっていう言葉をお聞きになったことがありますか?

両方ともスタートアップ企業またはベンチャー企業を支援する会社、または組織のことを指します。

Plug and Play Tech Centerのエントランスを入るとこんな感じの雰囲気です。国旗が国際感覚溢れていますね。


©2019 USANCO

スタートアップ大量生産の地

シリコンバレーはスタートアップ企業が山ほど存在するのは有名な話ですが、それを支援する会社もいくつか存在し、その中でも有名なのが今回紹介するPlug and Play Tech Centerと他にも有名どころとしてY Combinator、500 Startupsなどがあります。

彼らの元には毎日毎日、大量の入居希望者が押し寄せていて、面接するのにも一苦労と言います。なんと1日で平均50社相手すると聞きました!

1ヶ月1000社来るってことですよ! それだけ起業している人がいるってことです。驚きですよね。

Plug and Play Tech Centerの元々の生い立ちは、あの現テスラーモータースのCEO、イーロンマスク氏がPay Palを立ち上げる時オフィスの場所を探していて、Plug and Playの創業者のサイード・アミディ氏(イランから来たペルシャ絨毯の販売業だった人)が小さな部屋をPay Palに貸したのが始まりと言われています。2000年前後のことです。

Pay Palなど、Exit(卒業)した企業の社名ロゴが貼ってあります↓


©2019 USANCO

創業者がイランの方なので、Plug and Playのところどころに中近東風の置物があったりします。


シリコンバレーの縮図、Plug and Play Tech Center

シリコンバレーのエコシスシステム(生態系)というのを聞いたことがあると思います。シリコンバレーの歴史は遡ること1955年、パロアルトという街で、トランジスターを発明したウイリアム・ショックレー氏が、トランジスターの会社を創業したのが始まりとされています。

初期はヒューレット・パッカード、アップル、インテルなど半導体やコンピュータ関連企業の設立が相次ぎ、発明とヒット作を生み出し、それに伴って「お金のなる木」「金脈」を求めて起業家に投資するベンチャーキャピタルが大量に集まり始めました。

元々古くからあった、スタンフォード大学や、カリフォルニア大学バークレー校、そして数々の優れた研究所、ゼロックス・パロアルト研究所、ローレンス・バークレー国立研究所、SRIインターナショナルもこのシリコンバレーエコシステムの大事なブレインとしての要素で、これらのプレイヤー達もエコシステムの成長に一役買っています。

合わせて読みたい:アメリカのスタートアップから学ぶべきこと:この記事にもシリコンバレーエコシステムのことをスタートアップ視点で書いています。


アメリカのスタートアップから学ぶべきこと


©2019 USANCO

上記のエコシステムの図にあるように、シリコンバレーは60年ほどかけて、発想、頭脳、情熱、資金、知見がうまく融合して機能し合うコミュニティーの成長と共に現在のような好循環な生態系を形成してきました。

Plug and Play Tech Centerの入居者・運営の方針を聞くと、この図の中に含まれている人たちが全て揃っているように思います。

Plug and Play Tech Center自身は図の中でいうと、インキュベーターに相当すると思います。場所を貸して、さらに起業家への投資も行います。

もちろん起業家の席が大半を占めているのですが、大学や研究所の席、大企業の駐在事務所、ベンチャーキャピタルの専用席、弁護士事務所、会計事務所の専用席まで用意されており、スタートアップに必要な頭脳、機能が一つの建物に集約されているのです。それがシリコンバレーの縮図たる所以です。

大学が入居しているエリア、MITやミシガン大学、カリフォルニア大学などのロゴが↓


©2019 USANCO

アクセラレーターとインキュベーターの違いですが、インキュベーターは主に場所・お金を支援するビジネスベースなのに対して、アクセラレーターは技術などの専門領域におけるノウハウや知見をベースに実用化、商品化を加速させる人たちの事を指します。

なるほど、これは起業しやすい環境だと感心しました。月に何回かベンチャーキャピタルや大企業に対してアイデアのピッチを行う場も用意されていました。


©2019 USANCO  アイデアピッチを行うホール

入居しているベンチャーキャピタルや大企業の特権として、スタートアップの新しい技術やアイデアを聞くことができ、コラボレーションや投資の検討ができます。

世界に26拠点、米州、欧州、アジア、中近東、シリコンバレーが一番の老舗であり大きいですが、パリ、ベルリン、ミュンヘンには2ヶ所ずつあります。東京には2017年に設立されています。

2018年度中に支援したスタートアップ1107社、資金調達総額9000億円、企業パートナー280社、ベンチャーキャピタル300社を有しています。規模は年々伸び続けているようです。インキュベーターとしては世界トップレベルではないでしょうか。

この写真はiPhoneアプリのベンチャー企業を集めたエリア↓


©2019 USANCO

スタートアップ達が成長した暁にどういう状態を目指すのかといえば、大企業にそのまま成長し、IPO(株式公開/上場)する、もしくは大企業に買収されるかのどちらかです。

大きな買収になると1回3000億円や4000億円というのもあります。10人の小さな会社が3000億円で買収された例もあり、10人で山分けしたら1人あたり300億円、もう働くなくていいですよね。

シリコンバレーには、1度スタートアップ会社を売却して巨万の富を得た後、何度も起業したり、コンサルタントやメンターになったり、悠々自適にまったりライフを送る人など様々な方がいます。


やはりここの成功例でよく挙げられる有名な案件としては2002年、ebayがPay Palを1500億円で買収し、買収後もそれをテコにしてebayが伸び続けているという話はよく聞きます。

ここサニーベールにあるこの拠点、以前は日本企業が少なかったのですが徐々に増え始めて現在は40社程が入居しているようです。

著名人が訪問すると、壁にサインしてもらうという習慣があります↓


©2019 USANCO

な、なんと!訪問者の記録に岡田克也氏のサインも!


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