Maker Faire Bay Area・メーカーフェアベイエリア レポート!

今回は、カリフォルニア州サンマテオで毎年5月に行われている、本家Maker Faire Bay Areaの見学レポートをお伝えします。

第3次産業革命、メーカーズムーブメント

皆さん、メーカーズムーブメントって、聞いたことありますか? 

従来は大企業などが工場でものを大量生産し、同じものを大量に売るという市場を形成していましたが、近年では人々の嗜好が多様化し、少量多品種化する傾向が強くなってきました。

そして個人や小さなスタートアップ達が大規模な工場でなくても物を作りだすことができる環境が徐々に整ってきました。

もの作りの手法がデジタル化し、工作をする機械が低価格化したことも大きく影響しています。

例えば3Dプリンターやレーザーカッターを活用、さらには世界中に広がったFab Lab(ファブラボ)の増加も相まって、人々が個人の生活者目線に立った様々なアイデアを具現化していくようになり、ロングテール経済(少量多品種販売)を形成するようになった動き、それがメーカーズムーブメントです。

第3次産業革命ともいわれているようで、今、まさに変革の真っ最中なのです。

それは、大規模工場を持つ企業が危機感を抱く程の動きとなっています。

このムーブメントは「MAKERS」の著者であるクリス・アンダーソン氏が提唱されています。

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雑誌Make:とMakerMedia社について

このメーカーズムーブメントの火付け役ともいえるのが、アメリカのMaker Media社が発刊するMake:という雑誌で2005年に創刊されました。

毎年恒例で行われるMaker Faireもこの会社が主催しています。

雑誌Make:はものづくりやテクノロジー系の趣味雑誌で発刊元のMaker Media社はデール・ダハティー氏がCEOを務めるメディア会社でカリフォルニア州サンフランシスコにあり、2013年に親会社のO’Reilly Media社から分社化しています。

デール・ダハティー氏はティム・オライリー氏と共に親会社のO’Reilly Media社も共同で創業、この会社も技術系の雑誌やメディアを提供しています。

日本のMake:マガジンを取り扱っているのはO’Reilly Japanで東京都新宿区に1995年に設立され、日本語版のMake:雑誌やメディア、日本でのMaker Faire運営をしています。

日本のMaker Faireは東京や京都で行われていて、今年も東京で8月3日(土)4日(日)に東京ビッグサイトで開催されます。


Maker Faire Tokyo 2019

Maker Faireの本拠地 San Mateo会場

本家の会場はサンマテオと言う街にある、San Mateo Event Centerで行われています。サンフランシスコ市内から高速を使って40分ほど南に下ったところです。Go Proの本社が近くにあります。

事前にオンラインで買っておいたチケットのプリントを入り口で見せていざ入場!


©2019 USANCO

早速目に飛び込んでくるのが、毎年人目を惹き続けている、スチームパンク風のオブジェ。

ガスで火を噴き、アイアンワークで作られた巨大なオブジェがゴーゴー音を立てていて、いつも一番目立っている印象です。


©2019 USANCO

スチームパンクコーナーの展示品。アメリカ人ってこういった風化したような、やれた感じのアンティーク風テイストが好きな人多いですね。


©2019 USANCO
©2019 USANCO

会場内を一通り見ると、個人での作品を展示している人が一番多い印象ですが、SonyやGoogleのような大企業もあれば、高校、大学などの研究室、部活動の展示もあります。

↓こちらはSONYのIoTデバイス、MESH Project。


©2019 USANCO
©2019 USANCO

©2019 USANCOSTARTUPのブース

スタートアップが自分の会社の新製品を展示する、有志のチームで作品の展示をするなど、自由自在、結構全体的には混沌としています。

個人の手作り品、クラフトや手芸関連のブースもあり、即売もしています。フリマと展示会が混ざっている感じ。

近年はGoogleも出展していて、Google Xという先行開発部署で開発してきたプロジェクトの試作品を多数展示していました。

また、子供たちにもの作りの楽しさを体験してもらう、はんだ付けレクチャーコーナーもできていました。

↓はんだ付けレクチャーコーナー


©2019 USANCO

記念品にGoogle Goggle(グーグルの安全ゴーグル)を配っていました。

こうした子供達にもの作りの楽しさを教えるコーナーやイベントっていいですよね。

小さい時って、親に連れてってもらったこういうイベントをきっかけにして、自分のやりたいこととか、目標を見つけたりすると思うのです。

「将来、絶対ロボットのエンジニアになる!そしてお母さんの家事を楽にする家事ロボットを作る!」とか言ってくれたら頼もしいじゃないですか。

子供達の知的好奇心をくすぐるような、こういうmaker Faireのような場がもっとたくさんあるといいなーと思います。

↓Google X、Project Loonの試作品。僻地にもインターネットを引くために、バルーンでルーターを空に設置するプロジェクトです。


©2019 USANCO

↓Google X、Project Wingの試作品。こちらはGoogleが目指すドローン宅配便のプロジェクトです。


©2019 USANCO

Maker Shedは電子工作キットの宝庫!

会場内にはMaker Shedというコーナーがあるのですが、ここには電子工作や3Dプリンター、大人の科学のバックナンバーまで、創造力をくすぐられる品物がいっぱい! 関係する書籍も多数販売していました。


©2019 USANCO

©2019 USANCO

思わず、電卓の製作キットや電光式時計の製作キットを買ってしまいました!

ArduinoやRaspberryPiのキットももちろんあります。

合わせて読みたい、RaspberryPiの記事はこちら↓


IoTエンジニア 講座 受講体験報告!

Maker Media社は独特の視点で子供のもの作り教育の書籍を発売しています。これは一度読みたいですね。


Make:マガジンとMaker Faireを応援したい!

せっかくメーカーズムーブメントと共にMake:マガジンとMaker Faireが盛り上がってきたと思っていたのですが、悲報があります。

アメリカ本土の主催者Maker Media社が資金難におちいり、従業員を解雇、Maker Faire Bay Areaも今年(2019年)が最後の開催となるというのです!!

な、なんと!信じられません。こんなに面白く人気のあったイベントなのに…原因はスポンサーの減少と言っています。

日本のMaker FaireはMaker Media社ではなく、そのライセンスで運営している親戚の会社O’Reilly Japan社が主催していますが、なくなるという発表はされていないようです。

しかしながら本家の方がなくなってしまうのは、あまりにも悲しすぎます。私の予想では、ベイエリアには子供や若者の教育に熱心な人も多いので、その方々の支援を受けて復活してくれるのではないかと思っています。


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